至る地域で蕎麦が栽培されていますが、その中で自分がそば好きの人に薦めるとしたら山都町地域の蕎麦でしょう。
山都町は喜多方市内の西、飯豊山の麓にある地域です。
山都町の蕎麦は、スーパーなどでも「山都そば」として売られているのを見かけるように会津の蕎麦の中でも区別されています。
その山都町地域の中に宮古地区という集落があり、その蕎麦は山都そばの中でもさらに「宮古そば」として区別されています。
ネットやガイドブックなどでも紹介されていますが、そば好きの人達の中ではかなり知名度が高いと思われます。
山都町の中心街から国道459号線を西に入って、山間部をしばらく進むとその宮古地区があります。
いくつか建物も改装されているようで、以前より綺麗になっていると思います。
しかし中には看板らしいものも無い、やはり一見しただけではそば店だとは気づかないような普通の民家の佇まいの建物も残っています。
ここの蕎麦が美味しい理由としては、この山間地区特有の気候によることらしいです。
確かに、この日は6月下旬でしたが、山都町の平野部ではあじさいなどがほとんど花を咲かせていたのにも関わらず、この地区ではまだつぼみの状態でした。
この宮古地区のそば店はほとんどが予約制を取っています。
今回、私は実は初めてですが、宮古そばを食べてきました。
店は「とのや」さんです。
コース以外でもこちらの予算に応じたメニューを出してくれること、そしてこちらの店のメニューにある「川魚の塩焼きの唐揚げ」なるものを食べてみたいと思ったことで選びました。
店内は農家の民家らしい広い客間(仏壇付き)です。
これが私が頼んだメニューです。
で、宮古そばの味ですが、期待通りの美味しさでした。
食べてみたかった「塩焼きの唐揚げ」も骨まで苦もなく食べられて、これも美味しかったです。
ところで店の看板に「塩そば」というものが書いてあったのですが、尋ねたところ蕎麦に塩を振りかけて食べるものとのことでした。
で、実際試してみたのですが、なかなか美味しかったです。
写真の蕎麦の盛りつけが若干乱れているのは、塩そばで食べていたせいです。
予想外な美味しさだったのが「こんにゃくの刺身」です。
特に頼んでいなかったメニューですが、蕎麦とセットの品だったのか最初に出されてきました。
名前からしてその食感や味を大体イメージしていましたが、どちらも違っていました。
名前からしてその食感や味を大体イメージしていましたが、どちらも違っていました。
「山河豚」と書いてあった店もありましたが、確かに食感が口の中でとろけるような鮮魚のようでした。
味はこんにゃくの臭みも全くありませんでした。
あと大事なのが「そば湯」です。
容器の底が見えないくらい白濁としています。
そば湯はこうでないと!!
蕎麦を食べに行ったとき、いくら麺が美味くても、最後に出されるそば湯がお湯同然に薄かったりするとがっかりします。
あと麺つゆは猪口の半分くらいで十分なのに、やたらたっぷり入れてくるのも困るものがあります。
「とのや」さんのメニューは最後のそば湯まで美味しくいただけました。
すばらしかったです!
ぜひまた来店したい、けど悲しい哉、他の店にも行ってみたいという気もあります。
「美味しい」ばかりを連発してしまい料理の批評がまるでできないことが判明してしまいましたが、とにかくこの宮古そばを食べて、確かにこれは地元が誇れる蕎麦だと実感しました。
ところでこの地区内を散策して思ったのですが、店の看板を増やしたり、建物を改築したりしたように、蕎麦の集落として今後も発展していくのなら、もう少し土地の景観も意識した方がいいと思いました。
例えば四季折々の植物などを地区で計画して育てた方が、もっとその土地が楽しめる。
本当はこの地区は、店らしい建物があまり見当たらない只の山奥の集落同然だったところにも面白さがあったと思います。
だから観光地として発展していくことが少し残念でもあります。
広く知られるようになった場所なので、変化していくことは当然なのかもしれませんが。
広く知られるようになった場所なので、変化していくことは当然なのかもしれませんが。
しかし、このような場所に住んでいる人達が持っている生活力は保っていてほしいです。
元々は単なる山間の農家の集落で、都市部とは違った時間の流れの中で、つつましくも充足した日々を過ごしてきたのだと思います。
元々は単なる山間の農家の集落で、都市部とは違った時間の流れの中で、つつましくも充足した日々を過ごしてきたのだと思います。
つなぎ無しでこれだけコシのある蕎麦を打てる人が多いのも、そういった生活を送ってきたからだと思います。
似たような環境で生まれ育った私でさえ、このような山間の集落でしっかりと生活している人達がいれば何か安心だし、うれしくも感じます。
ブログを始めてから一つの節目である三ヶ月が経ちました。
たびたび読んでくださっている方がいるようで、ありがたいです。
これまで色々と書いてしまいましたが、気を悪くされた方がいましたらすみません。
今後もここに住んでいる一個人の観点から会津を紹介していきます。
このブログに目を通した方々にとって、撮った画像や自分の考えなどが何らかの参考になってもらえたらいいと思っております。
特に浜通りや中通りなど同じ県内で会津のことをよく知らない人達にとっても、自分が住んでいる地方にこういうところがあるのだとわかってもらえたら、何か自分を満たせるものが見い出せたのならうれしいです。
それではまたよろしくお願いします。