2013年11月24日日曜日

地元の人達の美術作品

今月の16日から24日にかけて、会津若松市民文化センターにて「第38回市民美術展」が開催されました。


美術には興味を少なからず持っていまして、東京に住んでいた時も著名な画家の特別展などが開催された時には観に行ったりしていました。


ところで地元で美術に親しんでいる人達はどのような作品を制作しているのか興味があります。

5月にもこの会場で「会津工芸新生会」という工芸愛好家集団の展覧会があり、それも見物したのですが、本格的に作り込んでいる作品が多く見られました。

美術へ高い意識を持っている人達が地元でも多くいるのだと分かったので、この展覧会も期待を抱きつつ作品を鑑賞してきました。


会場では日本画、洋画、彫塑、写真、書などさまざまな部門の作品が展示されていました。




一般の人達の美術作品を見るのは学校で生徒達の作品を見るときのような楽しみがあります。




絵画ではやはり地元の風景を描いた作品が多く見られました。


この絵は上手だと思います。

これは自分のお孫さんを描いた絵です。
こういった観ていてなごめる作品があるのが、いかにも市民美術展らしくてよいです。

東日本大震災を題材にした作品もありました。

これは「仔馬と少年」という題名の作品です。

この作品の作者の方は、かなり絵を描いてきているのだと感じます。
地元でもやはりこういった方がいるのだと、嬉しくなります。



写真や彫塑の部門もなかなか感心してしまう作品がありました。



今月、最初のブログでも紹介した会津工業高校の生徒達の作品も展示されていました。






書の部門は最も多く出品されていましたが、どれも上手に思えます。

とりあえず書に関しては私は批評できそうにないです。


興味を持ったものとしてはこの作品です。

よく見ると、用紙に赤線で枠が記されているのが面白いと思いました。
これは書の世界では新しい表現方法なのでしょうか。


こういったものを観てやはり思うことは、「新しさ」とは単に今までとは違ったものになるというのではなく、時代の流れの中で、よりそのものらしくなることなのだということです。
ちなみに未だにスマートフォンに変えていない自分は、新しいケータイがもっと出ないものかと願って止みません。


押し花絵部門ですが、けっこう出品数が多かったです。

こういった風景画を制作することもあるのだと感心しました。

ただ率直に言ってどれも似たようなデザインのものばかりでした。
もっと新しい表現方法が他にもできそうに思います。


さまざまなジャンルの作品を楽しめた美術展でした。



大都市で観られる美術作品は他の作家達との競争意識の中で磨かれてきているので、レベルが高いと感じる作品が多くあります。

しかしこういった地方でほとんど自分の趣味として描かれる作品の方が理解しやすいというか、楽しみやすいものがあります。
それに気分を害するような内容の作品もほとんどないので、安心して鑑賞が出来ます。

他の地域に住んでいる人も、自分の地域の人達の美術作品を観れば、同じようなことを共感してもらえると思います。

2013年11月20日水曜日

会津フード記 その12「新会津伝統美食:ニシンの棒寿司」

新会津伝統美食のメニューでは、前回の里芋料理の他に「ニシンの棒寿司」という料理にも興味を持ちました。

身欠きニシンを鯖のように棒寿司にするというものです。
身欠きニシンとは鰊の干物のことで、会津では代表的な伝統料理である鰊の山椒漬けに使用されます。


ご飯のおかずにもいいですが、お酒が好きな人ならつまみでぜひ試してほしい料理です。


「ニシンの棒寿司」は喜多方市にある「そばカフェ じーま」というお店が提供していたので食べに行きました。

なかなか美味しかったです。
味つけに山椒が使われていますが、やはり良く合います。
身が固いのではと思っていたのですが、それほどでもなかったです。


棒寿司にするというアイデアはありきたりかもしれませんが、私は結構気に入ってしまった料理です。
伝統的に使われてきた食材の新たな食べ方であり、何より親しみやすいというものがあります。
地元スーパーの弁当寿司のコーナーなどに置いてあるなどして、もっと日常的に食べることが出来るようになればいいと思います。

2013年11月17日日曜日

山里の秋が見たい人へ

今回は秋の風景を紹介します。

会津地域は辺一面、すっかり紅葉の景色になっています。

稲刈りも、いつのまにか終わってしまったようです。


会津の秋というと古民家があって、のどかで鄙びた風景をイメージする人が多いかもしれません。

しかし、そういう絵に描いたような風景なら会津でも山間地の奥に行かないとそういった風景はなかなか見れません。

自分もここに住んでいながら、この季節にふさわしいそういった風景を見てみたいというのがあります。
私を含めた、そういう人のためにちょっと奥まで出かけてきました。


今回は南会津町の館岩地区にある前沢曲家集落への風景を紹介します。

館岩地区はもともとは舘岩村という自治体でしたが、2006年に他町村と合併しました。

この館岩地区へ行くには、南会津町を横切る国道352号線を新潟方面へと向かいます。

この日は11月中旬に差し掛かろうとしていた頃です。

幸いに天気も良くのどかな風景が見られました。

昔話にあるような風景といえばこういったものでしょう。



国道沿いを流れる川と館岩中学校付近にある白樺などを見たときは、来たかいがあったと思いました。


やがて館岩地区に入り、さらに進むと前沢曲家集落に着きます。

これがその集落です。



曲家とは建物が上から見るとL字形をしている民家であり、昔は馬などの家畜が住む空間があったそうです。

雪深いこの地域で、一つ屋根の下、家族同様暮らしていたのが想像できます。


屋根も茅葺きの昔の様式を保存している住居がほとんどでした。


現在ではもちろん家畜などはいないでしょうが、普通にこの住居と環境の中で、日々の生活を送っている人達がいました。



集落内では、めずらしい植物も生えていました。

畑では大根が大きく育っていました。

蕎麦もまだ収穫されずに残っている畑もありました。


私の気を特に引いたのはこの赤カブです。

このカブはこの地域で育てると赤くなる種らしいです。


近くの物産店でこのカブの漬物が売られていたので買ってみました。

調味料には酢が入っているようでしたが、あっさりとしています。

それよりもカブの辛味が感じられました。
辛味大根並みに辛く、すりおろして口にしたら相当でしょう。

私はタクアンなどの根菜の漬物は辛味がある方が好きなので、あとをひく味わいでした。


前沢集落に着いたときは夕方近くだったので、やがて辺はすっかり暗くなってしまいました。

空には小鳥の大群が飛び交っていました。
畑に残っていた作物など、たらふく食べたことと思います。



こういった昔の様式の生活環境の中で生きることは、現代へ向けての古き良きものをアピールしているのかもしれません。

しかし、自分たちの持っているものが他の地域ではあまり見れないものであるなら、単純にとっておきたいというものなのではないでしょうか。

綺麗な茅葺き屋根を見ていると迫力さえ感じますが、こういった建物に住むことは風流を感じるというか、一種の大掛かりな趣味的なものなのだろうと思います。

何にせよ親戚などにこういった家に住んでいる人がいれば、きっと遊びに行くのが楽しいでしょう。