2013年8月21日水曜日

会津フード記 その6「鯉料理」

会津の代表的な郷土料理には鯉料理もあります。

会津では江戸時代の中期頃から飢饉対策として養殖されるようになったそうです。
しかし山間地方にとっての単なるタンパク源とは言えないくらい栄養価の高い魚のようです。
パンフレットに書かれていた文章を引用させていただくと、21種類ものアミノ酸を持っており、その内の8種類が人間の必須アミノ酸(全9種類)なのだとのこと。
古くは薬用魚と見なされていたようです。

会津の鯉料理として主なものは写真にあるような「鯉の甘煮」でしょう。
私も子どもの頃から宴会の席などで「こづゆ」同様よく目にしていた料理でしたが、しかしそれほど好んでは食べていませんでした。
甘めの味つけにご飯との相性を感じなかったからかもしれません。

鯉自体は嫌いというわけではなく、「鯉こく(鯉の味噌汁)」は好きな料理でした。
頻繁に食べていたというわけではなく、どなたかが釣ってきた鯉を分けてもらったのを食べていたと思います。
養殖物と違って川魚特有の臭みがあったのですが、しかしだしはとてもいい味が出ており、鯉の野性味が感じられたのを覚えています。


こちらへ帰ってきてから、ぜひもう一度「鯉こく」を食べたいと思っているのですが、メニューに置いている店が見つからないでいます。
鯉の卸業者さんにも問い合わせましたが、やはりご存じないようでした。
それどころか最近では鯉料理を出している店さえ少なくなってきているようです。

しかし鯉こくの代わりに、鯉の天ぷらを出しているお店を紹介していただきました。
会津若松市にある「二丸屋武蔵亭」というお店です。

これは鯉の天丼と冷たいそばのセットです。
鯉の天ぷらは美味しかったです。
他の白身魚のように違和感無く食べられ、普通に天ぷらのネタとして広まっていてもおかしくないとさえ思いました。


それにしてもやはりもう一度「鯉こく」が食べたいという願望があります。
昔は田植えや稲刈りなど一仕事終えたら、温泉で疲れを癒した後、鯉を食べて精をつけるという鯉湯治なる習慣もあったそうです。
べつに一仕事の後でなくてもいいので、温泉にゆっくり入って、湯上がりにのどを潤して体を冷ました後、鯉こくを一杯食すなどということをぜひしたいものです。


鯉は海外でもよく食べられている魚のようですが、今までの鯉料理以外にももっと料理が考えられるのではないかと思います。