もうすぐお盆を迎えます。
この時期、親戚や知人などの家に行きますが、そのとき宴会などで必ず出される料理が「こづゆ」です。
婚礼などの祝い事、年中行事等など特別な日に添える食べ物として出されています。
会津を代表する郷土料理として、真っ先に挙げられるものでしょう。
ところで「こづゆ」はグルメ料理の枠に入るというほどの料理ではありません。
個人的な感想を言えば、味がそれほど特徴的なものでないせいもあり、美味しいと思うときも、そうでないときもありました。
悪い言い方ですが、その「こづゆ」を出す家に対する印象が味の評価に反映していたように思います。
「こづゆ」の味つけや具材は会津の各地でそれぞれあるようで、一体どれが正当なものなのか判断がつきかねます。
ただ一度試してみたいのが、会津各地にある旅館や料理店が出す「こづゆ」の中で、どういったのものが会津の人から多くの評価を得るのかというものです。
それによって「こづゆ」のあるべき形が、どういうものかが分かるのではないかと思います。
「こづゆ」の具材として多くの人が挙げるのが豆麩だと思いますが、昔の「こづゆ」には入っていなかったようです。
「こづゆ」の原形らしい料理から入っていたものとしては里芋と人参のようですが、今では豆麩の方が印象が強くて、具材が豆麩だけでも「こづゆ」だと思う人がいるのではないでしょうか。
他に野菜以外には保存食であった魚介類の乾物などが具材に使われていたようですが、イクラを入れていたときもあったようです。
それぞれの地域の「こづゆ」を資料で調べてみましたが、特に具材としてこだわらなければいけないものがないように感じました。
ただ特徴的なこととしては具材の数が7種類か、9種類だということでした。
これは奇数の数が縁起が良いからということらしいです。
ちなみに私の家庭で作られ、食べなじんできた「こづゆ」は「里芋、人参、豆麩、白滝、キクラゲ(椎茸)」の5種類であり、正式なものではなく言わば「五目こづゆ」だったと判明しました。
また具材の種類以外には、仏事には人参を入れないという決まり事もあるようです。
さて、こちらに戻ってきて再び「こづゆ」を何度か食べる機会がありましたが、もう少し変化があっても、もう少し贅沢であっても構わないのではないかと思いました。
かといってコンソメ味にしたり、フカヒレを入れろというわけではないです。
このあたりの材料の選択が「こづゆ」の微妙なところでしょう。
私が人をもてなすために「こづゆ」を作るとして7種類の具材を入れるとしたら、まず定番の里芋、人参、豆麩は変えないとして、白滝も好きなのでそれも入れて、残りの三つは細めのアスパラ、小さく切ったそばがき、後は地元で栽培されたキノコ(シメジなど)です。
また季節によって栗や、秋田県の料理にあるようなイワナのつみれなどもいいと思います。
特別な日に出すときは具材は伝統的なものであるべきかもしれませんが、これまでにさまざまな形で変化してきたのはより美味しく味わおうとしてきたからだと思います。
ですから「こづゆ」は単なる郷土料理ではなく、もっと美食的なものとしてあってもいと思います。
特別な日に出すときは具材は伝統的なものであるべきかもしれませんが、これまでにさまざまな形で変化してきたのはより美味しく味わおうとしてきたからだと思います。
ですから「こづゆ」は単なる郷土料理ではなく、もっと美食的なものとしてあってもいと思います。