2013年8月4日日曜日

只見町というところ

只見町は福島県の最西端にある町で、会津若松市から只見町まで行くには80km以上も距離があるかなり山奥の地域です。

越後山脈に囲まれ、国定公園や巨大なダムを有しており自然の規模、種類共に豊かであることは言うまでもありませんが、冬にはものすごく雪が積もります。

浅草岳
会津地域全体が豪雪地帯なのですが、只見町はそのなかでも特別な地域です。
たとえ実家の地域が大雪に見舞われていても、只見町の方ではどのくらいなのだろうかと気がかりになってしまうくらいです。
昨年度の積雪は3m位に達したようでした。

蒲生岳
この只見町に住むことになったら、奥会津地域育ちの私でさえ覚悟がいるくらいです。


しかし、東京から実家に帰る時この只見町を通るときがありましたが、このような山奥でも意外に発展している地域だという印象を受けていました。

人口も平成25年6月の時点では4,694人であり、同じような地理的条件にある他の地域と比べても多い方ではないでしょうか。

今回、只見町の実際を見てみようと訪れました。




まず、只見町地域の町並みは他の会津地域とは異なっていました。
住居がいかにも耐候性を重視した外壁を持つ一般的な造りの住居がほとんどで、また積雪に耐えるためのアーチ型をした車庫などをよく見かけました。


会津でよく見かける伝統的な様式を外見に持つ建物は、旅館などの宿泊施設ぐらいでした。
中には現代風な造りの新築の住宅が建っていましたが、そういったのを見ると何かここに住んでいる人の気概みたいなものを感じてしまいます。


小学校は立派な造りで良かったです。
校舎内もなかなか楽しそうでした。


また只見町は広大なブナの森林があることで知られており、それにちなんだ「ただみブナと川のミュージアム」という施設もあります。

館内の撮影はご遠慮下さいとのことでしたので、休憩室を紹介したいと思います。

テーブルにはめずらしい植物が飾られています。

図鑑などの書籍やセルフサービスのドリンクコーナーがあり、なかなか素敵な場所でした。



他にもキャンプ場がありました。

キャンプ場へ向かう階段にはどこからか水があふれていました。
この地域は積雪がかなり多いだけあって山には水量がかなり蓄えられているのだと実感します。


またこの只見町の町並みを特徴づけている場所として、昭和漫画館「青虫」があります。
テレビドラマの撮影にも使われたようで広く知られていると思います。

館内の様子です。
昭和はじめの、自分がまだ生まれていない頃の漫画本が多く置かれています。
ただただ魅入ってしまいます。


自分が知っている作者の漫画本があると、さすがにしみじみとしてしまいます。

東京にいた頃、電車内で隣に座っていた外国人の子どもが本を読んでいて、それがここにあるような昭和初期頃の漫画だったときはたまげてしまいましたが、絵画や児童文学の挿絵のように多くの人に受け入れられるものが、この頃の絵にはあると思います。
そしてなによりも、見る人をなごませてくれるものがあります。


また只見町にはこのような場所もありました。
看板には「たもかく本の街」と書いてあります。


古本屋らしいのですが、それぞれの建物にはジャンル別に小説、コミック、学術書などが揃えられていました。
本が好きな人にとっては、かなり楽しめる場所ではないでしょうか。

ネットで調べたのですがとてもユニークな経営をしており、本とこの只見町にある森林を交換!?してくれるらしいです。
1,750円分で森林を一坪ということですが、何だかすごい発想です。


只見町についてはここまでです。
範囲が広いのと行くまでに時間がかかるので、一日では全てを見て回れませんでした。
しかし他の地域には無いこの町特有の意識みたいなものは感じられました。

ここは会津地方の中でも独自の発展をしていく地域になるかもしれません。
とりあえず、遁世したくなったら住む場所の候補地にはなっています。


ここの冬祭りも毎年かなりの力の入れようなので、ぜひ皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。