2013年9月29日日曜日

会津の能楽

会津若松市には能楽堂があります。

会津能楽堂は、完成したのが平成21年であり、まだ新しいものであります。


能楽堂の建設は会津能楽会により平成12年から計画が立てられ、地道に募金が集められてようやく完成したそうです。
造りも立派なもので感心しました。

春能

春能
これまでは会津若松市内の公共文化施設や特設会場などで催されてきたようですが、この伝統的な様式の能楽堂で上演できることは会津能楽文化の再興に努力してきた方々に取って、まさしく念願が叶ったものでしょう。


私も東京にいた頃に能楽に興味を持ち始め、一時期には月に一度は観に行っていたときもありました。

能楽への関心は薪能として定番の「石橋」を観たときから抱いたのですが、帰ってからしばらく動きをまねしてしまったくらい魅了されてしまいました。

謡本もけっこう集めたものです。

津村禮次郎氏のサインです(ちょっと自慢)
能楽への知識を深めようと思い、舞を習ってみたいとさえ思っていました。

薪能
時間的、経済的都合で観に行く機会が減り、最近ではほとんど触れずにいましたが、また地元で能楽を観ることができると知り本当に嬉しいです。



さて、個人の好みに偏ったものだが、これからの会津の能楽文化について自分の意見を述べます。
まず能楽堂ですが、もっと観客に配慮した設備の工夫が必要だと思いました。


野外の舞台なので仕方が無いのですが、屋内と比べて何かと不利な面があります。
これは関係者の方々も十分承知していることでしょう。
しかし日差しがきつい中で、素謡(フルバージョン)を聴くのは修行に近いものがあります。

今回の薪能は風のため火が焚かれなかったようでしたが、天候への対策も必要だと思います。


それと能楽を普及させたいのなら演目ももっと意識を持った方がいいと思います。
激しい舞のある曲目の方が一般的な人、特に若い人は好むのではないでしょうか。

切能物とよばれる曲目にはそれが多いですが、今まで観た中では例えば「海士」の早舞いはかなりインパクトありましたし、「融」などはその太鼓のリズムを聴いてかなり高揚してしまったのを覚えています。

薪能
会津で行われてきた演能の記録は拝見したのですが今回の薪能の曲目「胡蝶」といい、舞のゆったりした地味な演目が多かったようです。

今回の薪能が行われた日は市内で大きな祭りがあったのですが、その夜を締めくくるのにはもっとふさわしい曲目があったのではないかと思います。

切能物としては「紅葉狩」や「小鍛冶」なども行われたことがあるようですが、「紅葉狩」はまだ観たことが無いですし、「小鍛冶」はやはり躍動的な舞のある曲目なので、これらはまた上演してほしいです。


また会場も能楽堂だけでなく、屋内やもっと広い場所などに使い分けた方がいいと思います。

連吟、素謡などは屋内の会場でシートに腰掛けられたほうがじっくり聴きやすいです。
能楽堂が建てられる前は、鶴ヶ城で特設会場を設けていたようですが、薪能などはそういった場所の方がふさわしいと思います。

催しも、能楽をより楽しく分かりやすく感じてもらうために大衆向けに半能や能だけに演目を構成されたものや、連吟・素謡・仕舞いなど能楽の愛好家を対象とした内容のものなどにはっきりと分けた方がいいと思います。


会津の能楽文化の発展に奮闘されている方々のご苦労も承知し、かつ無料で観ながら以上のようなことを述べるのは厚かましいかもしれません。

しかし私もせっかくだから能楽をより楽しみたいので、率直に書かせていただきました。
能楽堂はまだ完成されたばかりですし、会津の能楽文化の発展はこれからだと思います。
私も今後、もっと能楽に親しみたいと思っているので、地元の能楽の発展を応援していきたいです。



このブログを初めて半年が経ちました。
ようやく折り返し地点です。

いろんなことが足りない書き方をしてしまい、後で訂正させてもらった箇所もありましたが、とにかくここまで付き合って下さった方々には感謝したいです。


あと半年も続くのかと思われる人もいるかもしれませんが、やり遂げたいのでよろしくお願いします。

2013年9月25日水曜日

会津フード記 その8「秋の果物」

収穫の時期最中です。


今回は会津産の果物を紹介します。

以前にも取り上げましたが、会津若松市北会津町地域には多くの果樹園があります。
それぞれの直売所にはこの時期にはおなじみの果物があります。

ぶどうなどは、姿形等似ているものばかりでしたが、それぞれ種類が異なるようでした。
どれを選んだらいいのか、迷ってしまうというものがあります。


ある果樹園に大きいサイズの洋梨とりんごがあったので購入してきました。
洋梨は「マルゲリット・マリーラ」とかいう品種です。

りんごはずっしりとして、指先が隠れてしまうくらいの大きさです。


洋梨はなかなか美味しかったです。
ラフランスなどはすっかり日本に定着しましたが、好きな味です。
でも自分の中では「二十世紀」が一番美味しいと思っているので、似たような味の品種がこれからもっと増えればいいと思っています。


果物に関しては種類や知名度など、お隣の山形県産のものが印象が強く、会津の果物といえば柿やスーパーでよく見かけるような一般的な種類のものしかないと思っていました。

しかし、それほど多くは生産されていないものの、地元でもそれなりに種類も豊富にあるのだと分かり嬉しかったです。


それらは果樹園の直売所でないと購入できないものばかりですが、現地に出向いていろんな収穫物を見るのも何か楽しいですし、一年の中の恒例のことになると思います。

2013年9月15日日曜日

華あるスポーツ

秋になりました。
ちなんだものとして、まずはスポーツを紹介します。


9月8日に「第8回裏磐梯スカイバレーヒルクライム大会」が行われました。

この大会は北塩原村の休暇村「裏磐梯」から、山形県との境付近にある白布峠までの標高差580m、全長16kmに及ぶ距離を自転車で競い合うレースです。

この日はあいにくの雨天でしたが、参加者の皆さんはほとんど気にしていないようでした。
しかもスタートが朝の8時前であり、そのような時間帯に長い上り坂を自転車で走るというのには恐れ入ってしまいます。

自転車競技は初めて見たのですが、なかなか迫力がありました。
先頭はアスリートの集団でしたが、カメラで上手く撮影できないくらいのスピードで通り過ぎて行きました。

その後には中級者、初心者等それぞれの集団が来ます。



大変そうでしたが、見ていて楽しめる競技で元気をもらいました。


他に紹介したいものとして、湖のあるこの地域ならではの水上の競技があります。

これは先月に猪苗代湖で行われた「志田浜ヨットレース」です。

見ているだけではルールや競技内容はよくわからなかったのですが眺めもいいですし、興味が持てました。

ヨットやカヌーなどの小型船舶のスポーツはぜひとも挑戦してみたいものがあります。

またレジャーとしてですが、簡易的な帆のついたボートなどを操作できたら楽しそうだと思います。


猪苗代町では他に毎年パラグライダーの競技が行われます。
ここでその模様の画像を載せられたら今回のブログは様になっていたのですが、残念ながら大会は既に終わっていました。
すみませんが、興味持たれた方はウェブ等を参考にして下さい。



とにかくこの猪苗代・裏磐梯地域は、陸・水上・空とそれぞれの競技がある場所なので、スポーツが好きな人にとってはかなり楽しめる場所だと思います。
他にもトライアスロンがあったり、来月にはハーフマラソンの大会が開かれます。

気になっているのが今月末に行われる「裏磐梯山岳耐久レース2013」なる競技。
自分で地図を見ながら、装備も自己責任のもので山岳地帯を進んで行くという過酷なレースです。
くれぐれも事故には気をつけて大会を成功させてほしいものです。



復興のためにも、全国的に広く認知されるようなスポーツ競技がこの猪苗代・磐梯山周辺で開催されるようになればいいと思います。

2013年9月11日水曜日

会津フード記 その7「えご(恵胡海苔)」

自分が子どもの頃から知っていて、特にお盆の頃に食べたことのある郷土料理として「こづゆ」、「鯉の甘煮」の他に「えご」というものがありました。

「えご」とは恵胡草という海藻から作られる寒天のような食べ物です。

イメージの悪い名前ですが、利己主義の「エゴ」とは関係はありません。
関係を見い出そうとすれば、今回の投稿が写真が一枚だけで、文章も適当に済ませようとしていることでしょう。

とにかく、これを食べたことのある会津の、特に若い人はどれくらいいるのだろうかと思います。

私は小さい頃初めて食べましたが、苦手な食べ物でした。
他の人も語っているのと同じように見た目が羊羹のようなので、期待してかぶりついたのですが、こんなにうれしくない味もあるものかと思いました。
食感も良くなかったです。
おそらく、今の若い人にも好まれない食べ物でしょう。

地元に帰ってきて再び食べてみましたが、懐かしさは感じたものの、やはり好きにはなれませんでした。

しかし、もとはといえばほとんど味の無い海藻であるので、酢醤油で食べたら口に合うかもしれません。
実際そういう食べ方もあるようですが、それが料理などに小鉢で付いていたらいいと思います。
黒蜜なども合うと思いますが、やはり食感が気になるかもしれません。

「えご」は今後も、地元では一部の地域でしか食べられないだろうし、食べる人も少なくなっていくだろうと思います。
しかし珍味ではあるし、いかにも先人から受け継がれてきた料理だと感じるので無くなってしまうにはおしいという気もします。

信州では蕎麦のつなぎにも使われているようなので、そういったのも会津にあったらいいと思います。

2013年9月1日日曜日

昭和村について

今回は昭和村を紹介します。

昭和村は現在過疎化が進んでいる地域であり、特に高齢者が人口の半分以上に達している状態で、地域力の低下が懸念されているところです。




自治体でも独自の地域振興を行っているようで、古くからこの地域の産業であった「からむし織」をアピールし、それにちなんだ施設もあります。
しかし知名度が高い温泉や観光名所がある他の地域と比べて、地域の維持にはより努力が必要な場所であると思いました。

私も地元にいた頃さえ、近くの村でありながら訪れたことは無かったので、この地域の印象はほとんどありませんでした。

しかし地元に帰郷した時、たまたま車である地域を通ったのですが、その時、きれいな川が流れる集落の風景にとても印象を受けたことがありました。

周辺の標識を見て、はじめてそこが昭和村だということを知ったのです。


昭和村へは、先月の中旬に訪れました。

村内では夏の伝統的な祭りが行われていました。

やはりこの地域の風景はすばらしく感じます。


昭和村について、簡単ですが以下に紹介します。

まず村の中心を流れる野尻川です。


野尻川は前回の金山町でも触れましたが、とても気に入っている川です。


また清水の名所も村内の各地にありました。


産業は特色あるものとしてはからむし織り以外には、カスミ草の栽培も盛んにおこなわれているようです。


温泉等の設備もあります。

また冬に積もった雪を利用して農産物を保存する「雪室」があり、これには感心してしまいました。

かなりよい環境に恵まれたところで、山間地域にある小さな自治体としては質の高いものを感じられました。

田舎暮らしをするにはよいところだと思います。
特に余生を静かな環境で生活をしたいという高齢者の方がいれば、ここをお勧めしたいです。

高齢化が進んだ地域ですが、いっそのこと高齢者が暮らしやすく、他の地域の高齢者も移り住みたくなるような地域になってもいいのではないかと思います。


ある理想的な地域のイメージがあります。
それは、この昭和村と重なるものがあります。

高齢者が田舎の環境を楽しみながら、年金だけで充実した暮らしができ、内職などで小遣いを稼げる。
内職は織物などの工芸品で且つ適当に需要があるもので、自治体もそれらが手頃な値段で売れるよう支援をする。

農産物などはビニルハウスなど生産しやすい環境の中で自分で自給して生活することができ、また介護など福祉の支援を必要とする人もそれらの人と共同しながら生きている。

たまに自治体から余興・娯楽的なサービスを受けたり、地域の学生の活動を賞でたりしながら文化にも親しんでいる。

町並みも昔を少し偲ばせるような、穏やかになれる街灯や憩いの場などの施設がある。

昭和の初めから生きてきた人達が、理想としていた地域の姿とは、一例だがこういうものだったと知れるような、そういう地域社会があったらいいのではないかと思います。


ところで昭和村が舞台となった映画「ハーメルン」が今月公開されます。

撮影に使われた喰丸小学校の校舎があったので紹介します。

廃校となった古い木造の校舎ですが、地域の人によって村内の名所として保存されているようでした。


敷地内にはイチョウの木があり、葉が色づいたら写真に収めるにはいい風景が見られるでしょう。

この校舎は取り壊されることになっているので、その前に興味もたれた方は訪れてみてはいかがでしょうか。