会津若松市には能楽堂があります。
会津能楽堂は、完成したのが平成21年であり、まだ新しいものであります。
能楽堂の建設は会津能楽会により平成12年から計画が立てられ、地道に募金が集められてようやく完成したそうです。
これまでは会津若松市内の公共文化施設や特設会場などで催されてきたようですが、この伝統的な様式の能楽堂で上演できることは会津能楽文化の再興に努力してきた方々に取って、まさしく念願が叶ったものでしょう。
私も東京にいた頃に能楽に興味を持ち始め、一時期には月に一度は観に行っていたときもありました。
時間的、経済的都合で観に行く機会が減り、最近ではほとんど触れずにいましたが、また地元で能楽を観ることができると知り本当に嬉しいです。
さて、個人の好みに偏ったものだが、これからの会津の能楽文化について自分の意見を述べます。
まず能楽堂ですが、もっと観客に配慮した設備の工夫が必要だと思いました。
野外の舞台なので仕方が無いのですが、屋内と比べて何かと不利な面があります。
これは関係者の方々も十分承知していることでしょう。
今回の薪能は風のため火が焚かれなかったようでしたが、天候への対策も必要だと思います。
それと能楽を普及させたいのなら演目ももっと意識を持った方がいいと思います。
激しい舞のある曲目の方が一般的な人、特に若い人は好むのではないでしょうか。
切能物とよばれる曲目にはそれが多いですが、今まで観た中では例えば「海士」の早舞いはかなりインパクトありましたし、「融」などはその太鼓のリズムを聴いてかなり高揚してしまったのを覚えています。
会津で行われてきた演能の記録は拝見したのですが今回の薪能の曲目「胡蝶」といい、舞のゆったりした地味な演目が多かったようです。
今回の薪能が行われた日は市内で大きな祭りがあったのですが、その夜を締めくくるのにはもっとふさわしい曲目があったのではないかと思います。
切能物としては「紅葉狩」や「小鍛冶」なども行われたことがあるようですが、「紅葉狩」はまだ観たことが無いですし、「小鍛冶」はやはり躍動的な舞のある曲目なので、これらはまた上演してほしいです。
また会場も能楽堂だけでなく、屋内やもっと広い場所などに使い分けた方がいいと思います。
連吟、素謡などは屋内の会場でシートに腰掛けられたほうがじっくり聴きやすいです。
能楽堂が建てられる前は、鶴ヶ城で特設会場を設けていたようですが、薪能などはそういった場所の方がふさわしいと思います。
催しも、能楽をより楽しく分かりやすく感じてもらうために大衆向けに半能や能だけに演目を構成されたものや、連吟・素謡・仕舞いなど能楽の愛好家を対象とした内容のものなどにはっきりと分けた方がいいと思います。
会津の能楽文化の発展に奮闘されている方々のご苦労も承知し、かつ無料で観ながら以上のようなことを述べるのは厚かましいかもしれません。
しかし私もせっかくだから能楽をより楽しみたいので、率直に書かせていただきました。
能楽堂はまだ完成されたばかりですし、会津の能楽文化の発展はこれからだと思います。
私も今後、もっと能楽に親しみたいと思っているので、地元の能楽の発展を応援していきたいです。
このブログを初めて半年が経ちました。
ようやく折り返し地点です。
いろんなことが足りない書き方をしてしまい、後で訂正させてもらった箇所もありましたが、とにかくここまで付き合って下さった方々には感謝したいです。
あと半年も続くのかと思われる人もいるかもしれませんが、やり遂げたいのでよろしくお願いします。