納豆は福島では消費量が多いらしいです。
会津でもそのようであり、納豆メーカーが製造したものをスーパーでよく見かけます。
また納豆は一般の家庭でも作られるようで、例えば奥会津には節納豆というものがあります。
それは年の暮れのころ納豆を作り、出来上がったものを大晦日に神棚に供えるというものです。
そういった風習があるくらい納豆は奥会津の生活と密接な食べ物となっています。
ところで納豆というと世間では人によって好き嫌いがかなり分かれると思います。
海外の人でも「見るのも嫌だ」と言う人と「世界一美味い」と言う人がいるようです。
自分にとっては納豆はかなり独特な存在となっています。
自分でも好きなのか嫌いなのかはっきりわかりません。
納豆が嫌いな人と同様に私も見た目や匂いが好きではありません。
しかしついつい日常的に食べてしまいます。
ただしネギをまぜて、あたたかいご飯にかけるという食べ方に限ります。
ちなみに以前は薬味にわさびを入れていましたが最近は和からしを捨てるのがもったいないので両方入れています。けっこう美味しいです。
しかし納豆を手巻き寿司などののり巻きなどにすると、とたんに食べたくなくなります。
蕎麦にかけたのも嫌になり、もちろん納豆餅なども食べられません。
また小粒よりも大粒の方が好きで、ひきわりなどしてしまうとそれもうけつけなくなります。
そして本当にわがままなことですが、自分が食べるのは構わないけど、他人が側で食べるのはご遠慮願いたいというのがあります。
一緒に食事をしているとき、目の前で食べていたら、なるべく見ないようにうつむき加減になるでしょう。
ただ納豆食べていると気が引き締まるというか、精進している気がします。
男声合唱曲(例えば高田三郎の「季節と足跡」)などを聴きながら食べると、何か身が浄められていくように感じます。
見た目等が嫌なのに何度も食べたくなるのは体にいいからなのでしょう。
これとご飯と味噌汁だけで生きていけるのではないかという気がします。
多分、長いこと世話になる食べ物だと思います。
ようやくですが本文に戻ります。
奥会津では冬でも納豆を作ります。
雪の中に藁を敷いてその中に大豆を入れた藁苞を並べ、雪の下で熟成させる「雪納豆(つと納豆)」というものです。
今回、三島町で作っておられる方がいて、幸運にも一つ残っているということで手に入れることができました。
もちろんこの藁苞納豆は店頭などでは売っていないものです。
どうやって入手した方は内緒ですが、複数の方にご面倒かけてしまいました。
とにかく感謝したいです。
これは藁についている納豆菌だけでつくるまさに本来の納豆です。
中はこの通りです。
豆は糸はあまり引きませんでした。
藁の風味が強くありました。
藁の風味が強くありました。
さっそく食べてみましたが、やはり最後に残っていたものだったのかちょっと発酵の具合が進みすぎていたようです。
固くなっている粒もあり、普段食べているものとは違う味でしたが、できればやはり出来たてのものを食べてみたかったです。
でも昔の納豆はこのようなものだったのだろうと感じさせるものがありました。
でも昔の納豆はこのようなものだったのだろうと感じさせるものがありました。
調べたところ雪納豆(つと納豆)は醤油ではなく、塩や味噌で食べるのだそうでした。
早速味噌で、とりあえずねぎも入れて試してみました。
それで、味噌で食べたら、なかなか美味しかったです。
納豆の風味はありましたが、味噌が絡まってほとんど糸を引かなくなり、何か他の郷土料理のような食べ物になったように感じました。
つと納豆はそのままで食べる以外に天ぷらや、麹を混ぜる納豆ひしょというもの、干し納豆などにするそうです。
天ぷらなどというと珍しいかと思われますが、納豆はただご飯にかけるだけではなくて他の料理に加工するというのが一般的なのかもしれません。
とにかく、食べて貴重な経験になりました。
ところで地元の食品メーカーである会津高田新田商店さんでは雪見漬という納豆を作っています。
これは納豆を塩で一年漬けこみ糀、砂糖、みりんで味をつけたものです。
スーパーに陳列されているのは知っていましたが、甘めの味つけとあったのでちょっと敬遠していました。
しかしこの機会に食べてみることにしました。
中身はこのような感じです。
何か豆金時のような状態になっており、糸は引きません。
しかし匂いはちょっと強く、納豆がさらに熟成したという感じがします。
食べてみましたが、それほど甘くなく、むしろしょっぱいと感じました。
少しだけでもご飯がかなり食べれます。
味はなかなか美味しかったです。
ちょっとづつご飯の供として食べるにはいいかもしれません。
興味をもたれた方、納豆に抵抗がない方、試してみてはいかがでしょうか。